2024年 新春ネクタイ福袋
毎年、ご好評・完売となっている銀座田屋の福袋。
本年もお客様へ感謝の気持ちを込めて、実施いたします。
【商品お届け日】2024年1月3日(水)予定
※銀座本店の福袋予約受付に関しては、こちらをご覧ください。
お電話で福袋購入の予約を承っております。
上杉氏の城下町として知られる、山形県米沢市。江戸中期の藩政改革で知られる上杉鷹山(ようざん)は、多くの殖産を促しました。その一つが、寒暖差の大きい気候から栄え、今日の米沢織へと発展した絹織物です。1989年、米沢市に田屋は自社工房を設立。老舗と織物業の伝統が結ばれ、田屋オリジナルの基幹が誕生しました。
製品工程の中で、デザイン・製織を受け持つのが、田屋織物工房。多品種の少量生産は、非効率的ともいえますが、そこには、大量生産では成しえない豊かな側面があります。その豊かさを続け、絶やさないこと。
それが、オリジナリティーとクオリティーの証しであると、田屋は願っています。
工程に手間が掛かるほど、費やす時間は、価値と誇りを生み出します。大量生産が成しえない、魅力ある生地作り。皆様に本物だけをお届けしたい。その思いは、田屋織物工房から始まります。最高級のシルクを使った生地の特徴は、柄の質感。ヨコ糸を極力押えずに飛ばすことで、光沢をまとった浮き彫りのような立体感を生み出します。また、押えの度合を変え、繊細な陰影の表現も織り込まれています。
一般的にネクタイでは、一線上に3本の糸が並ぶ「1列3層」の生地が使われますが、絵柄の見えない生地の裏(中)には、糸が通っていません。
田屋の生地なら「1列6層」。色数も倍で、裏(中)にもしっかりと糸を通し、ムラのない均一な厚みを保っています。しかも通常の半分の太さの極細糸を使用するため、生地の密度が高く、風合いはしなやか。ノットが崩れず美しい理由、締め心地の秘密がここにあります。
織機の改良やコンピュータの導入を経て、扱うシルク糸もまた、より細く上質なものへと向上しました。中には、熟練の工房スタッフも注意を要するほど、極めて細い糸もあります。しかし、極細糸を使うことで、柄と配色は、格段の進歩を見せ、プリントに迫る緻密な表現を獲得しました。またネクタイによっては、同一の場所で柄を取る必要があるため、生地を余分に織り、縫製の工程において、極めて高度な裁断作業も行われています。素材、製織、加工と、確かな技術で裏打ちされた田屋のネクタイ。目に見えない部分にこそ、美しさの際立つ理由があります。
流行にとらわれず、“遊び心”を忘れない個性的な柄。織機にも習熟した工房デザイナーが発想するのは「余所にはないもの」。春と秋の年2回、年間200にも上る新柄・新色が、生まれています。扱うモチーフは、音楽、化学、占星術、動物、乗り物、古代文字…と理系から文系まで、分野も様々。一本一本が、楽しめる個性の小宇宙といえます。