銀座田屋 米沢工房 銀座田屋 米沢工房

銀座田屋・米沢工房

1989年(平成1)、デザイン・製造部門として
山形県米沢市に設立。

自社工房を持つことで、
田屋は銀座でも数少ない製造小売業となる。
極細糸による多色織。
内外でも見ることのない高品質で高密度な生地は、
ネクタイ以外にも、オリジナルのシャツ、
ジャケットへと発展した。

田屋の製品が出来上がるまで

  • 01

    デザイン/アイデア出し

    デザイナーが新しいネクタイの柄を考案し、商品会議で商品として発売するか決めます。

  • 02

    試色(試し織り)

    商品化が仮決めとなった柄は、ネクタイの生地として米沢工房で織られ、生地として見た上で、最終確認を行います。生地の見え方によっては何度か試織をし直し、その度に米沢工房で生地を織ります。

  • 03

    生地を生産

    試色の確認が済み、柄と色が決定し、商品化が確定したネクタイは、成形に必要な生地を織り、織った生地は目視で検反します。※検反とは、生地の品質を検査する作業

  • 04

    生地を加工

    ネクタイのツヤを出すために、糊付けやプレスを行います。

  • 05

    ネクタイに加工

    職人の手により、生地からネクタイへ加工されます。

工房外観・デザインルーム

  • 01

    田屋織物工房の外観。

  • 02

    清潔に保たれた環境でデザインの構想が練られる。

  • 03

    PCの他にも、デザイン設計のための道具が揃う。

工房内機場/糸繰機・整経機・織機

  • 01

    A-1【糸繰り】:今は機械化され、一人で扱うが、
    かつては何人もの人手のいる手作業だった。

  • 02

    A-2綛糸(かせいと)を[つづみ/画面右上の車]に掛けて
    回転させて、[糸枠/画面右下]に巻き取る。

  • 03

    A-3[つづみ]から均一に[糸枠]に巻き取られた糸。
    経糸(たていと)なら、下記の【整経】へと送られる。

  • 01

    B-1【整経】:織機用の経糸(たていと)を整える作業。
    糸枠やロールの経糸を、ドラム(画面左)に巻き取る。

  • 02

    B-2織機に必要な糸の計算、張力を一定に保つ等、熟練を要する【整経】。
    画面は糸切れを防ぐ[目板]。

  • 03

    B-3ドラムに巻かれた経糸。
    ここから別のロールに巻き[千切(ちぎり)]を作り、
    織機へと送られる。

  • 01

    C-1まず[織機]に柄となる緯糸(よこいと)を設置。
    生地により手間のかかる掛替えが何度も行われる。

  • 02

    C-2[織機]は全部で12台。半世紀以上にわたり、
    丁寧なメンテナンスが行われ、日々稼働している。

  • 03

    C-3通路側[織機]の前部。バックカット生地の織り
    上がる様子。画面は裏面。余剰の長い糸が見える。

田屋品質TAYA QUALITY

ネクタイ

Point 01

締めやすく型崩れしにくいノット
他の追随を許さない生地へのこだわり

工程に手間が掛かるほど、費やす時間は、価値と誇りを生み出します。大量生産が成しえない、魅力ある生地作り。皆様に本物だけをお届けしたい。その思いは、田屋織物工房から始まります。最高級のシルクを使った生地の特徴は、柄の質感。ヨコ糸を極力押えずに飛ばすことで、光沢をまとった浮き彫りのような立体感を生み出します。また、押えの度合を変え、繊細な陰影の表現も織り込まれています。

一般的なネクタイ

一般的にネクタイでは、一線上に3本の糸が並ぶ「1列3層」の生地が使われますが、絵柄の見えない生地の裏(中)には、糸が通っていません。

田屋のネクタイ

田屋の生地なら「1列6層」。色数も倍で、裏(中)にもしっかりと糸を通し、ムラのない均一な厚みを保っています。しかも通常の半分の太さの極細糸を使用するため、生地の密度が高く、風合いはしなやか。ノットが崩れず美しい理由、締め心地の秘密がここにあります。

Point 02

一線を画す緻密な絵柄と色彩
美しさを支える田屋の技術革新

織機の改良やコンピュータの導入を経て、扱うシルク糸もまた、より細く上質なものへと向上しました。中には、熟練の工房スタッフも注意を要するほど、極めて細い糸もあります。しかし、極細糸を使うことで、柄と配色は、格段の進歩を見せ、プリントに迫る緻密な表現を獲得しました。またネクタイによっては、同一の場所で柄を取る必要があるため、生地を余分に織り、縫製の工程において、極めて高度な裁断作業も行われています。素材、製織、加工と、確かな技術で裏打ちされた田屋のネクタイ。目に見えない部分にこそ、美しさの際立つ理由があります。

Point 03

ネクタイの枠にとらわれない
"老舗らしからぬ"自由な発想と表現

流行にとらわれず、“遊び心”を忘れない個性的な柄。織機にも習熟した工房デザイナーが発想するのは「余所にはないもの」。春と秋の年2回、年間200にも上る新柄・新色が、生まれています。扱うモチーフは、音楽、化学、占星術、動物、乗り物、古代文字…と理系から文系まで、分野も様々。一本一本が、楽しめる個性の小宇宙といえます。

様々な工程に思いを込めて、田屋の商品は作られます。
工房から、店舗へ、そして、皆様のお手元へ…